管谷怜子のブログ

はじめまして。福岡を中心にピアノ演奏活動とフリューゲル音楽教室を主宰しています。ホームページはhttp://ryoko-sugaya.com

3月10日モーニングコンサート&トーク

3月10日のモーニングコンサート&トークは、特別公演「3.11から2年目の春」でした。

ご来場いただきました皆様には心より感謝申し上げます。

今回は、平成音楽大学ファゴットアンサンブルの演奏、そしてテノールの大室岳さんとピアノの広沢愛弓さんのデュオ、そして、福島から避難して福岡に住んでおられる写真家、亀山ののこさんの写真スライドをバッハの平均律クラヴィーア曲集と共に上映するという、とても新鮮な演奏会でした。私は最後のバッハを演奏させていただきました。舞台で演奏しつつ、横目でちらちらスライドを確認しながらスライドのテンポになるべく寄り添うように意識するという、はじめての経験をさせていただきました。亀山ののこさんもお話されてありましたが、スライドに映される母親と子どもの写真はすごく暖かく優しい表情のものばかりで、このような慈しみ深い表情は、有無をいわせず人々の心を打つものだと思いました。

スライド上映のあとは「ママは原発いりません」の方々のお話がありました。放射能汚染から逃れるためにふるさとを離れ福岡に移住を決めたとのこと、こどもに健康被害が出たことを話されました。原発の危険など福島の原発事故があるまで何の関心も持たなかった、この無関心こそがこのような事態を招いたのだとも語ってくださいました。お話を聞きながら、私は未だに無関心でいるなと思ったのです。どこかで対岸の火事のような意識でいたので、胸が痛かったです。

ただ、おそらく私よりも若いママたちが、極めて常識的で筋の通ったことをおっしゃるのには、とても感激し、こんなママが増えていったらきっと日本の未来も捨てたものじゃないと感じました。原発がどれほど危険か身に染みてわかり、原発は無くなってほしいと思うのは、母親としては当たり前の考えだと思います。それなのに、なぜ今の社会や政治では、当たり前のことが通らないシステムができあがってしまったのか。社会が複雑に絡まった利害関係で、がんじがらめになっているように思えてなりません・・・・。とてもきれい事が通るような世の中ではないからこそ、ママ原の方々の思いがより切なく強く響きました。この思いがいつか実を結ぶことを願って止みません。