管谷怜子のブログ

はじめまして。福岡を中心にピアノ演奏活動とフリューゲル音楽教室を主宰しています。ホームページはhttp://ryoko-sugaya.com

「第10回J.S.バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会」ご来場ありがとうございました

 たくさんのみなさまにご来場いただきまして心よりお礼申し上げます。

 今回は福岡ハイドン弦楽四重奏団コントラバスの武冨祐子さんを迎えて、念願のピアノ協奏曲第2番、第5番を演奏するとができました。

ご来場のみなさまからいろいろな反響をいただきました。クライマックスであるピアノ協奏曲や、「シャコンヌ」は特に印象深く楽しんでいただけたようでとてもうれしく思います。さらには前半のプログラムで演奏した「トッカータニ長調」はそれほど頻繁に演奏される曲ではないのですが、「とても感動的な演奏だった」とうれしい感想をいただいたりしました。

 バッハと聞くと、ショパンなどロマン派の作品と比べて、堅苦しくて一辺倒で退屈と言った先入観、またピアノを習っていたときにバッハが苦手だったのでその苦手意識の印象が強いという方もたくさんいらっしゃると思われますが、今回の演奏会はそんな印象を覆す機会になったならば、これほどうれしいことはありません。

バッハは堅苦しいという印象は、これは自信を持って間違いといえます。

 バッハほど、多彩で柔軟性に富む作曲家は皆無です。さすが「音楽の父」といわれるだけあって、どのような解釈でも、ひいてはジャズでもポピュラーに編曲されてもバッハはすばらしいです。そんな普遍的な音楽はもうこれから誕生しないかもしれません。(誕生してほしいですが…)

 バッハについての知識や曲に対する蘊蓄などなくても、さらに言えば「こう弾かなければ正解ではありません」などという、それこそ堅苦しい視野の狭い理屈は抜きにして、純粋に音楽を味わうことをみなさまとともに共有できることこそが、音楽の真なる価値なんだと改めて強く思います。

 少々理屈っぽい文章になってしまいましたが、

改めてご来場ありがとうございました。これからも末永くどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

『管谷怜子ピアノリサイタル~第10回J.S.バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会』のごあんない

 来る11月26日に『管谷怜子ピアノリサイタル~第10回J.S.バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会』を開催する運びとなりました。

 2011年にこのシリーズを始めて以来、平均律クラヴィーア曲集第1巻、フランス組曲、イギリス組曲、パルティータ、トッカータなどに取り組んで参りました。回を重ねるごとに、一歩一歩ではありますがバッハの音楽に対する自分なりの解釈や理解が進んできたように思っております。

 今回は、FFGホールの素晴らしい音響で、でピアノ協奏曲第2番と第5番を弦楽五重奏版で演奏します。第5番は言わずと知れた傑作で、今から弦楽五重奏とどのような音楽を作っていこうか試行錯誤しているところです。

 

 ご多用中とは存じますが、ぜひ皆様お誘いあわせの上ご来場いただけたら幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

               

                記

日時:2017年11月26日(日)15:00開演(14:30開場)

会場:FFGホール(福岡銀行本店大ホール)

 

プログラム:

トッカータ ニ長調 BWV912 Toccata D dur BWV912

フランス組曲第4番 変ホ長調 BWV815 Französische suite Es dur BWV815

シャコンヌ ニ短調 BWV1004(ブゾーニ編曲) Chaconne d moll  BWV1004

ピアノ協奏曲第2番 ホ長調 BWV1053 Konzert Nr.2 E dur BWV1053

ピアノ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056 Konzert Nr.5 f moll BWV1056

 

 

 

『朝倉に祈る会Ⅳ 管谷怜子ピアノリサイタル』ご来場ありがとうございました。

夏の名残を感じるほどの暑さのなか、『朝倉に祈る会Ⅳ 管谷怜子ピアノリサイタル』にご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。

 

復興支援を目的としたコンサートでしたので、朝倉産の新米やお野菜、果物などの販売もあり、和気藹々とした楽しい会になりました。少しでも演奏でお役に立てたことがとてもうれしかったです。

 

鞭ホールを主宰されている鞭みちこ先生は、私の高校時代の先生でした。高校時代からずっと何十年も私の演奏を聴き続けていただき心から温かく応援してくれることは、大変ありがたいことだと思います。

 

このようなアットホームな演奏会をする機会は今まであまりなかったのですが、これからはこのようなサロンコンサートも積極的に出演していきたいと思います!

 

 

あさくらに祈る会Ⅳ 管谷怜子ピアノリサイタルのごあんない

九州北部豪雨から3ヶ月が経とうとしています。被害にあわれた方々に改めてお見舞い申し上げます。

 さて、このたび10月9日(月祝)に朝倉の鞭ホールにて、災害支援の演奏会を開催することになりました。鞭ホールは、私の高校時代の声楽・合唱の先生であられた鞭みちこ先生の主催している音楽ホールで、私は今回初めて訪れます。今回このような災害に際して、演奏会のお誘いをいただいて大変ありがたく思っています。それと同時に、一人でも多くの人に楽しんでいただけるように、精一杯演奏したいと思います。

 

 プログラムは、

 

バッハ:フランス組曲第4番BWV815

スヴェーリンク:我が青春は過ぎ去りぬ

ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル

ブラームス:間奏曲op.118-2

シューマン/リスト:献呈

ショパン夜想曲

バッハ/ブゾーニシャコンヌ

 

です。バロック初期の作品からロマン派を経て20世紀の作品まで、ノスタルジックで多彩な表情を持つ作品を中心に選曲しました。

最後のシャコンヌは聞きごたえのある超絶技巧とダイナミックであり、また繊細な表情を湛えた大曲です。

演奏会では少し解説をお話しながら、聴いていただきたいと思っています。

 

連休中の何かとご多用かと思いますが、ぜひご来場くださいませ。

 

 

『第9回 バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会』ご来場まことにありがとうございました

第9回もたくさんの方々においでいただき、本当にありがとうございました。今回はブゾーニのバッハ編曲作品を取り上げたこと、さらにピアノもいつものブリュートナーではなく、シュタイングレーバーを使用したこともあって、いつもとは異なる時代観や音色をお楽しみいただきました。

 

イギリス組曲も残すところ第3番のみとなりました。今回演奏した第4番、第6番は比較的演奏される機会の少ない作品で、解釈や舞曲同士の流れ方にはまだまだ工夫の余地があったかとも思いますが、滅多と聴けない滋味な作品を取り上げることは全曲連続演奏会ならではの楽しみでもあります。

 

 そして、今回はなんといっても、ブゾーニ編《シャコンヌ》が強烈なインパクトを持って聞いていただけたことと思います。演奏者自身も《シャコンヌ》のもつ、強烈でゆるぎない底深いエネルギーみたいなものに半ば圧倒されながら、演奏しました。このような作品は自分自身が興奮していながら、半分は冷静で虎視眈々と弾き進めなければなりません。大変精神的な熟達度を求められなと改めて実感しました。

 

さて、次回第10回は、FFGホールで、ハイドン弦楽四重奏団とのコンチェルトをメインに計画しています。そして第10回でも今回演奏した《シャコンヌ》を演奏する予定です。FFGホールの広い空間に響き渡る《シャコンヌ》の世界をお楽しみいただければと思っています。

 

これからも、『バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会』をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

第9回 J.S.バッハ クラヴィーア作品全曲連続演奏会のおしらせ

前回の第8回(2016年9月)からだいぶ時間が経過してしまいましたが、第9回は4月16日(日)に開催することになりました。

 

今回はイギリス組曲第4番と第6番、そして後半はブゾーニ編曲のバッハ作品、「ファンタジー、アダージョとフーガ」、そして「シャコンヌ」をお楽しみいただきます。

 

私事ですが、長年在籍していました慶應義塾大学を今春、無事に卒業することができました。昨年は論文の執筆に追われていまして、それもあって今回は通常2月に開催していた「バッハ連続演奏会」を4月に変更させていただいた次第です。

 

慶應では、決して音大では勉強できなかった一般的な科目もたくさん勉強することができ、わずかながら視野を広げることができたかなと思っています。

 夏はスクーリングで集中して講義を受けたり、レポートの締め切りに必死に徹夜したり、そして卒業論文の執筆(‥これがなにより大変でしたが、とても貴重な勉強をさせていただきました。お世話になりました福田弥先生、井口正俊先生、厚くお礼申し上げます)一年がかりで取り組みました。

 

 卒業論文のテーマは「ブゾーニとぺトリによるバッハ作品の校訂の比較研究」です。やはり私のライフワークであるピアノとバッハをかけて、「バッハをピアノでいかに演奏するべきなのか」という大変大きなテーマから、絞りに絞ってブゾーニの校訂や編曲について掘り下げていくことにしました。

 論文執筆のきっかけでブゾーニの作品を是非演奏してみたいという思いに駆られまして、今回はブゾーニの編曲をプログラムに取り入れることにしました。

 バッハオリジナルの作品とブゾーニのロマン派的なバッハ像を存分に含ませたブゾーニ編曲のバッハ作品と、プログラムの中での対照的な響きを楽しんでいただけるようにと考えて、ただいま準備を重ねております。

 

 また、今回は自宅のピアノを日時計の丘ホールに運び込んで、いつもの「ブリュートナー」ではなく、「シュタイングレーバー」で演奏いたします。

 

 ほとんど日本では親しまれていない「シュタイングレーバー」ですが、スタインウェイやベヒシュタインに並ぶ質のよい、そして生産量の少ない貴重なピアノでもあります。

豊かな音、ボリュームのある柔らかくまろやかな響きを特徴としている楽器です。何ともいえない軽やかな音色から、電光石火の如く唸りあげる衝撃的な音まで、ダイナミックな表現が可能です。

こちらもまたお楽しみになさってください。